いつまで隠れてるんだヨ。もうスネてないで出てこいヨ…。腹がだんだん楽になるのに反比例して
スゲエ便秘。
傷に貼ってあった接着剤がベロリとはがれ落ちる今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。腹腔鏡のために腹に4カ所の小さな穴をあけるんですが、3カ所はコレとして残り一カ所、ヘソに十字の聖痕を見つました。たしかに術前にヘソ掃除をされましたけど、まさかここを切るためだったとは。
【入院までの流れ】
検査結果を受けて入院と手術が決定したあと、さらに術前検査(血液・レントゲン・心電図・肺活量)。日を変えて当該の科から入院中の治療計画の説明、くわえて手術を控えているので麻酔科で説明と調整を行います。術日当日に立ち会う相方がコレらにも同席しいっしょに説明を受けます。
お察しの方もあると思いますが私は特に麻酔やらに過敏に反応するとこがありまして、それでも今回は麻酔を入れなくてはならない。おまけにキングオブ麻酔、麻酔の最高峰、
全身麻酔ダヨ。!とうぜん総合病院の麻酔科なんて専門的なとこに顔を出すのも生まれて初めてという緊張感。が。麻酔科に来る人っていうのはどうやら手術をひかえてたいへんブルーな人しか来ない科なわけでして、相手もさるもの慣れたもの。穏やかで人当たりのいい先生と看護師さん。
『硬膜外麻酔と全身麻酔の2種を使います。』
えっ?全身麻酔だけじゃないんですか?コーマクガイって聞いた事はありますけれども。
そこで背骨の模型を片手に目的・方法・理論とリスクについてあますところなくされる。下半身をがっつりおとなしくさせておくのと、術後しばらく入れっぱなしにして痛み止めとして使うために併用するらしい。
『それから全身麻酔をして、かかり具合をみてからコレやって人工呼吸器も使います。術後しばらくのどが痛いですよ。』
えっ……喉頭鏡?気道挿管??人工呼吸器???えっ?えっ?呼吸止まるカモなの?マジスカ!
聞いてる限り深いねむりどころではなく、
仮死状態
と呼ばないか?コレ。
正直最後まで怖かったし、術前2週間ヒマさえあればこれを思い出して鬱ってたくらいなんですが、のど元過ぎればナントヤラ。麻酔に弱いという同志アナタよ、コレ結論からいって
たぶんそこいらの町医者よりこっちのほうがよほど安心です。麻酔科医は手術直前から直後しばらくにかけて、アナタにずーっとついててくれますし、じっさいかなり慎重にやってくれます。アナタの思いのたけを自分で判断せずにすべてぶつけなさい!命かかってんだから。
手術直前に看護師さんに怖いっす、と弱音を吐いたら
『麻酔と先生を信じるよりありません』と名言キタコレ。もうホントにそれしかない。手術直前に、怖いけれど、看護師さんの言うようにお任せするよりありません、よろしくお願いします、と言うと
麻酔科医『任せておいて。必ず僕が見てるから大丈夫。』
担当医『すぐ終わりますよー。負担の無いようにやりますから。』
ワー頼もしい。→ → それではアデュー!!! → 2時間半後、咳が止まらず目が覚める。気道の管でむせているらしく、ここで一気にタンやら取られるのが苦しいが、管を抜くと自分で楽に呼吸できるようになります。
【硬膜外麻酔】
術台に寝てから始まります。術台には自分で乗るのよん。背中を丸めて隙間から注射、麻酔を入れます。注射じたいはチクっとていど。麻酔科医からも説明がありますが、入れたところから突然骨盤あたりに向けて骨に沿ってズドン!と重い感覚が走ります。これは若干痛みもありますが、すぐ消えた。ここで入れたチューブは術後そのままにされ、痛み止めを少しずつ流したあと数日後に抜き取ります。
【全身麻酔】
術日前日にも麻酔科との調整がありました。ここで胃酸を抑える飲み薬を受け取ります。
シャッキリ目覚めるのとぼんやり少しずつとどっちがいい?と聞かれてシャッキリ希望。むなしい選択肢のような気がする。その昔バリウム何味にする?って訊かれたことを思い出す。
利き腕と逆側の手の甲に局部麻酔 → ここで太い点滴針がつきます。このあと点滴をされますが、これはよく分からない。入れると変な感じがしてくるので、指示通りここで合図します。なんと言うか、ザワザワっとしたような、意識は研ぎすまされてハッキリしてるんだけど、それが体と繋がらないような感じ…。死ぬ前ってあんな感じなのかも知れないゾ。
ここで口元に酸素マスクをあてがわれ気分を確認。ここでいよいよ全身麻酔を流すよ、と言われます。まったく記憶がありませんが、きっと3秒ぐらいで落ちてるはず。その後、シャッキリ醒めたせいなのか、前述したようにゲホゲホとむせて目が醒める。
術台からベッドに移され、手術室近くの別部屋で様子を見ます。手術室は見たところで最低6部屋はありましたがもっとあるかも。同じように手術を受けた直後の人たちがここで30分ほど様子を見て、安定すると当該の科の看護師が迎えに来てくれてベッドごと運ばれ病室に戻ります。ここでは麻酔科の看護師さんがほとんど離れず様子を見てくれるのですが、覗き込んでは顔色が悪いなぁと言われてもどうせいとおっしゃるのか。値踏みされる冷凍マグロ状態。私は運良く術後全然痛まなかったんですが、隣に寝ていたマグロさんは手術直後も相当痛んだらしい。うーん、うぅーん、痛いぃ…とうなされっぱなし。気の毒に、とは思うんですが私も思いやってるゆとりなどあるわけないですよ。いろいろ不安になるんですよ。正直はやく迎えにきてほしい一心でした。
相方の待つ病室に戻って、やっとほっとする。このぐらいから寒気と吐き気がしてきます。事前にも説明を受けていましたが、麻酔の副作用です。電気毛布をかけてもらうも1時間もすると今度は暑い。なるほど、副作用は出ては消えて行く、説明通りだと思いましたが、吐き気だけはこのあともなかなか消えませんでしたね……。これは硬膜外に入れてる痛み止めのせいでもあったようです。