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寄生の宿

年の頃35を過ぎて、
メシ時にはいそいそと実家に帰って行く。



こういうの見たら結構引く、という意見が身近に多い。
どうせ分類ジェンダーなのだからそこまで差別・区別はしたくないつもりなのだが(笑)確かにコレは自分もちょっと引くなぁ。だって自分の価値観としてはこうだ。

性別関係無く外に出る限りは敵もたくさんいる戦場なのである。
衣食住の最たるものといえば食であり、自分の兵糧を安易に他者に頼ることに人間の覚悟を感じ得ない気がしてしまうのだ。

そこで周囲に思い当たるパラサイトシングルがいくばくかいる事を考えるのだが、まずそれが男性の場合メシどころか全て親御さんがやってくださっているという太っ腹。家にどっぷりである。女性の場合は指向が外に向いていて100%「コンビニの新商品探索」を趣味にしている(笑)。年齢に関係なく甘いジュースやスナック菓子をよく好み新商品の確認を怠らない。

自分は親元にいられる時間が短く、また今後そのような事態もあり得ないために、ついそういう生き方が有るのだということをスッカリ忘れていた。

経済的にかなり恩恵があるのではないか?
そんなパラサイトのうちの1人に尋ねたら「経済的にはそうでもない」と答えた。
まあ、このシトは会社勤めして月給全部、親に回収されてるからね。
ある程度の社会性をもって自分の身の上を見ている。



そいつはのほほんとした人物である。ひょうひょうとした、といった語句に含まれそうな薄めの意味でさえ確固とした意志を感じづらいタイプなのである。
5〜6年前だろう。この人が以前「オトモダチ」とカフェを開こうとしていた事があり、それは叶わなかったとはいえ店のイメージは「証明がなく各テーブルにロウソクで灯りをともし、マンガを置く。食器類は東京:合羽橋にイイのが有るらしいと”カフェを開こう”に書いてあったから、ソレを購入しに行く。」というもの。
「オトナ」が訊くと客回転の悪さに驚いてしまうのだが、彼らは本気である。
そして決してバカにするわけではない。だがこれを発想したのは

人生に一度も就職したことがない


二人なのだ。知り合いの店でバイトを続けていてそれは勤続○年だったりしてそれは立派な事なのだし、本人達にとっては「熟考の末」の結論なのだから意見はしづらい。だが、その話を聞いた時、とても社会性があるとは思えなかったのだ。

そして彼らはいま30になったそうだ。実家から出た事がない、自宅にいても契約をしてと社会に出た経験が無いということが、たとえ差別だと嘲笑されても、ここに大きなデメリットがひそむのは事実だと思う。人間は社会経験が少なくても生きていけてしまう。だがそれは社会では大きな実力の差となる。親が望むように価値観を疑わなくても済む生き方も有るだろう。そう生きるのなら構わないのだ。だがそれは生まれた子供が東大を出て政治家に、と願うことと同じほどの確率ではないのか?その子が社会に出る時に持つべきはキレイに言えば生きる覚悟なのだと思う。
たとえ親の庇護下にあっても社会に出れば競争社会がちゃんと有って淘汰の法則はいつも同じように理屈と別に動いている。底力とは本当に底からでも動ける人に備わる力なのだろう。

本当に夢があるなら、パラサイトから脱してみると考える機会が有っても良いか。
本当に、こんな生き方に無縁だったからこそひどく驚いてしまう。

そうか、そんな生き方もあるんだ、と
感心してつぶやいてしまった。
by jaguarmen_99 | 2005-04-19 21:28 | それは一言文句を言いたい
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