何か言って欲しかったって思うとき。
ン?アレッ?あそこに看板無かったっけ…?と思ったら、10年ずっとメンテをお願いしてきた

バイク屋さんが店たたんでまして


まぁ、修理パーツが届いても連絡先書いた銀行でもらうメモパッド無くして電話よこさないような人だし、割と良く来ている上客の類のはずなのに毎回その銀行でもらうメモパッドに電話番号書かされるしで、閉店の知らせの貼り紙すらしないのも、親爺さんらしいと言えば確かに親爺さんでしかない。

先月会ったときに年末入院してた、とは聞いたけれど、店を閉めるのはその後決めたのでしょう。私が言いたいのは顧客責任ガー!とかじゃないんよ。なんで、礼ぐらい言わせてくれれば良いのに、と思う。そして中年になるとですね、不義理じゃねえかという思いとともに

『まさか、この世には居るよ…ね……?』

という哀愁も同時に浮かぶようになり、まあきっとお互いさまなんですけれど、若い頃に比べて別れが寂しくてたまりませんネー。嫌いな人はどーでもいいんですけれど、縁(エン)の深さに応じて息災であれと願うのも加齢の一面ってモンなんですヨー。

今回のこのショック、既視感があると思ったら、そうだ、もう無いので実名を出しますが『屋台バザール』(※こちらの方のご紹介が詳しいかと)っていうメニューぜんぶ旨い店もいきなり閉店してて。あれもショックだった…。閉店直前ぐらいに10人ぐらいでお邪魔して(予約入れてます)普段全く笑いもしないマスターが『このぐらいの人数だといいネ!』と初めて笑ったんです。私はその時心底感動し、こう思いました。

マスター、私の顔おぼえてたんですね…。

※↑大変愛想の悪いマスターです。

話は違ってこちらは本当に先にあちらにいらした方のお店の話。昔よく行っていたおでん屋の前を通ると違う店になっていました。「悦ちゃん」という、沖縄おでんとお酒の小さなスナックです。知って驚きましたがご店主が昨夏に他界されたとのこと。家で晩酌派になってしまって、すっかり不義理しているうちにお礼もお別れも言えないとなってしまいました。「おでん 悦ちゃん」でググるだけでたくさん画像が出てきて、ママの元気な姿に思わず目が潤みます。声だって覚えているんだ、ちゃんと。それなのに、あぁ…。

この店には3つ誤解があります。3つの誤解は青字にしておきます。
お店の晩年期にはなぜか「鍵を閉めているヘンな店」として観光客向けにもガイドやネットで情報拡散され観光スポット化していましたが、これはガイドで取り上げられて面白おかしく脚色されているだけ。この店は昔からある地元向けの小さなスナックで、説明はしょりますが界隈も桜坂社交街なんていって今もそうですが場末感漂う場所だったんです。スナックとかゲイバーが乱立してるのよう。

閑話休題。「おでん 悦ちゃん」は鍵は元々かかっていませんでした。ただし、もともと一見さんお断りな店なんです。ちゃんと理由があるんですが、エピソードを一つ。

ママが鍵を閉めるようになったのは今から20年ぐらい前だと思います。ある日行ったら鍵が閉まってた(※鍵といっても簡単な錠です)。中に人は居る。ノックをすると、ママが奥から出てきて私の顔を見て開けてくれた。営業してないの?!いや、開いてるよ、というやりとりがあって、こんなのが数回続く。ある日私は尋ねましたとも。

ママ、何で鍵閉めてるの………???

するとママはなじみ客のキープボトルを背景に応えた。

酔っぱらい怖いじゃない!

私は雷に打たれた気持ちだった。ここは呑み屋じゃないのか。現にカウンターのおっさんはキープの酒を呑んでいる。えっとですね、大雑把に言うと場末ゆえ本当に面倒な人たちも流れてくるわけで、それで酒癖の悪い人が大暴れしたと。店はママ1人でやってらしたんで、対応に困ったんでしょう。出禁にするもそんな輩が言うこと聞くわけない。で、鍵かけるようにしたんよ、と。言ってるそばから女の人が来て門前払いされました。知らない人なの?とママに訊くと彼女もやはり過日大暴れしたとのこと。で、こういう人ですから。謝りにも来ないでしれっと来ちゃうんですよ。「…様子見てですね…」(ママは全員にですます調で話す)。

一見お断りな店ですが、ただしママは一度来た客は忘れない。よって一度来た客に連れて来られた客はOK!という京都なルール。そして段違いな記憶力を持つママは下戸です。観光客が増え、移住組が増え、既存のネットワークからではない一見客が増え、それまでのやりようでは捌けない増える問題にママは独りで対処すべくこうなさったのでしょう。ママはいっさい余計なことを言わない方でしたし、しかし10年振りでもちゃんと私の顔を覚えておられる方でした。一度だけ異性の同性愛トモと一緒に行ったことがあって、ママがプライベートに切り込んだのはこの時だけです。「ねぇ、お2人は夫婦なの?」
雰囲気がすごく似ているし、どっちも美男美女っていう感じで(ママの世辞)センスも似てる、夫婦なのかと思ったの、と。お世辞は嬉しいけど、ごめん、どっちもそっぽ向いてんのヨ。界隈の桜坂社交街はゲイバー多しと前述しましたが、ママは色々敏感な方でした。

そしてママは『悦ちゃん』ではない。
これはママに訊いたことあるんです。ママが悦ちゃんなの?
違う、先代が悦ちゃんなの。私は二代目ヨー、と。昔芸能人だったって聞いたよと訊ねると、それは先代。芸能人というか沖縄の芸能やってた人でネ、と。

話がそれきりになって、私はママが何者なのか、どんなお名前なのかも知らない。どういう方だったかだけしか知らない。お話が面白くて、やっぱりこの方も沖縄芸能やってらしたんだろう、という感じで、そして目鼻立ちがきりっとしていて年を重ねても分かる、相当な美人だった。こんな方に世辞でも美男美女って言われたら浮かれちゃうさね、ホントww。

ママはミステリアスな方なんで、全てが本当かどうか私には分からない。下戸というのも面倒を避けるためのように聞こえるし、悦ちゃんとなれなれしく呼ばれるのが嫌で話をでっちあげたのかも知れない。でも地元のスナックなんて、そんなファンタジー込みでしょう。

そして4つめのおまけ誤解。
「おでん 悦ちゃん」の古いジュークボックスは100円で3曲ということになってるが、動作がヤバくて2曲で終わる時もあるし、4曲以上かかる時もあった(くだんのママ公認)。さっきから石原裕次郎ずっとかかってね?みたいなのも有ったし、ちあきなおみがかからないよ!とか有ったなぁ………

何か言って欲しかったよ。お礼を言いたかったし、言いたいよ。あなたたちが控えめな人だって知ってるからこそ、ちゃんと直接言いたいよ。

そして「悦ちゃん」のママ。あの世でも声かけてくださいねー。またお会いしましょう。
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by jaguarmen_99 | 2017-02-25 21:20 | 日々どーでも | Comments(6)
Commented by れんと at 2017-02-25 23:31 x
今通っている床屋さんは、突然お店を閉めそうな気がしています。今は60代のようですから、もう少し時間はありそうですけどね。せめて、その後、どこに行ったらいいか教えてくれてから、閉めて欲しいですw
Commented by jaguarmen_99 at 2017-02-26 16:47
■ れんとさま
> その後、どこに行ったらいいか教えてくれてから、閉めて欲しいですw
ホント、心からそう思うんですけれど店を開いたのも事業主の想い、最後までその意思に沿うてやりたいという願いも半分あるんですよねぇ。しかし、私は美容室派なので分からないのですが、知人は床屋をヒョイヒョイ変えてて、出先で時間有ったから、とか。うーん、知人が言うように床屋さんってどこも同じなんですか?私はそうは思わないんですが。
Commented by れんと at 2017-02-26 16:52 x
> 最後までその意思に沿うてやりたい

なるほど、それはそうですね。

そして、

> 床屋さんってどこも同じ

は、人(客)によると思います。元友人は「安ければいい」とか言って1000円のところ(しかも、いろいろなところの店)を愛用してましたが、僕はどこでも良くないです。やっぱり、高くたって、店主との信頼関係みたいなのが重要だと思います。
Commented by jaguarmen_99 at 2017-02-26 18:44
■ れんとさま
> やっぱり、高くたって、店主との信頼関係みたいなのが重要だと思います。
私が内気なせいかも知れませんが、髪を触られるって結構ひとを選ぶところがあって、やっぱりこの方にお任せしておきたいという根拠があって、結果同じように感じると思います。それに昔一度だけ出先で髪切ったんですけどロクな目に合わなかったことも大きく影響が。
Commented by kanimiso-moreko at 2017-02-27 15:52
>ここは呑み屋じゃないのか
爆笑してもうたwwwww
でも女性一人で水商売って、本当に怖いみたいですね。
行きつけの小料理屋のママも、ヤーさんがショバ代払えって脅しに来たのが本当に怖かったって言ってました。
対応策として「まるでそこに誰もいないかのように徹底的に無視する」のが効果的だそうです。それ出来る度胸が凄いわ(笑)

わたしの行きつけも全部、年上のママとマスターなので「いつかくる別れ」を考えてしまうのですが、想像するだけで辛いので「彼らが元気なうちにどれだけお金を落とせるかが大事!」とガンガン通って遊んで頂いてます。

>どっちも美男美女っていう感じで(ママの世辞)
なんか最近、じゃがさんのイメージが海老蔵になってきた…(笑)
Commented by jaguarmen_99 at 2017-03-04 20:36
■ kanimiso-morekoさま
> >ここは呑み屋じゃないのか
> 爆笑してもうたwwwww
わかるでしょ!言いたくなるよね?!www
> ヤーさんがショバ代払えって脅しに来たのが本当に怖かった
あー、コレ有るみたいですね…。方法は2通りと聞いた事があります。完全無視か、反対に向き合ってもっと強い人の名をアテるか。『アンタの名前、○○会の○さんに聞いていいんだよね。』どっちにしても度胸が必要ですよねぇ、なかなか真似できない…。私、無理。
> 「彼らが元気なうちにどれだけお金を落とせるかが大事!」とガンガン通って遊んで頂いてます。
もう、貴女のほうがお先にってこともあるのよ!そうそう、やれることできることMAX楽しいのなら。
> 最近、じゃがさんのイメージが海老蔵になってきた…(笑)
事件の後急にイイヒトぶってた灰皿テキーラの歌舞伎役者ではなかったか?あんなに整ってるわけないじゃん、水商売の世辞だよ世辞。
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