カテゴリ:世界遺産的マンガ&BOOKS( 125 )
読みましたがもういっちょ;ロブ・グリエ【消しゴム】
ロブ・グリエ【消しゴム】を読みました。葉っぱじゃないよ、カエルだよ。マンガじゃないよ、

小説だお


すごいだろう!おりこうさんだろう!そして感想だ!

さっぱりワカラン。マンガにしてくれ。

正直、もう一度読まねばならない。いや、あらすじは何とか理解できたんですが、他の描写の意味と意図ってナニーー?!な終わり方でして。もう一度落とし物を探しに元来た道を戻るのだが、きっと見つからない気がする

このままだとキャッチコピーの「ミステリー」に踊ったままで終わってしまう。読んであらすじは掴めても他のこと全然拾ってないミステリー。ドストエフスキー【悪霊】を読みました。この記事でbluegeneさんにスタヴローギンは主人公じゃないのでは?と言われた時の衝撃。うーむ、ミステリーってこんなふうに出来てますー、みたいな印象なんですが、だとすると他の描写って何のため?これミステリー小説じゃないんじゃないの??

ところで私め、2度目読みしているものがもう一つあって、アメリー・ノートン(Amélie Nothomb)の『午後4時の男(Les Catilinaires )』。読め、と言われペーパーバックを頂戴したのです。

原語だよ


触れば薄い、読めば広辞苑より厚い !初読では分からなかった単語に赤線を引いた!真っ赤っか!
そして今回!

やっぱワカンネ!

ただ不思議なことに雰囲気というか、なんとなーくは分かるジョン万次郎。くれた方がスゴイイイヒトなので、だからこそ凄く迷ったけど日本語訳は読んでない。これは何度も読んでちゃんと理解してみたいと願い。
[PR]
by jaguarmen_99 | 2016-10-12 20:19 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(3)
マンガ【腐女子のつづ井さん】
【腐女子のつづ井さん】がけっこう笑えて、何と申しますか私の周囲にも腐女子(腐婆々)が2人ほどいるんですけど、そのうち1人友人Uはかなり堂に入ってまして、もうしょっちゅうこういう事言うんだよなぁ、と笑っております。で、私もその慣れからかとりたてて深く追求しておりませんでしたが、一般的に『自分の身の回りにすっごいオタクとかレイヤーさんとか腐女子がいる』のって『自分の身の回りに同性愛者がいる』よりコアな出会いのような気がするんですが、どうでしょう?当事者側はこれが世界標準だと思い込みがちなんですが(笑)じっさいそんなことないような気もします。私も同性愛者だということを隠さなくても良い&機会があるときには申告しているのですが、それも時代の流れ。昔はほぼ100%隠すのに必死でしたんで、今は言える時には言うスタンスを取れることでかなりのストレスが軽減されています。すると逆説的ですがこれを繰り返しているうちに

ココロ丸ハダカ


な付き合いが形成されてしまい当人的には濃いめの世界基準が出来上がってしまうわけでして、最近それに気づきました。交友がそういう編み目のザルで漉してあるから当人ってば温度差に気づかないわけでして。

さて、【腐女子のつづ井さん】ですが、第二話「腐女子と身長」あたりは腐女子初心者にも馴染みやすい入門編だな、と思いますが個人的には第四話「腐女子と夢女子」が本当に腐女子っぽくて素晴らしい描写だと感慨深い。妄想力がスゴイんよ。ああ、友人Uはこんな事よく言ってたよ、うん。今はリアルアイドルに夢中らしいので掛け合わせとタチネコ判定は無さそうですが。
[PR]
by jaguarmen_99 | 2016-01-16 21:29 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(7)
【忘却のサチコ】を読みました(後編)。
前編はこちら

修吾を忘れるときを得るために、出先・出張先であれこれB級グルメに手を出すサチコ。
頑ななカタブツゆえ、妄想力といったら人一倍。人は鈍感と呼ぶかもしれないが、多少のことでは凹まないぞ!

b0046213_21141788.jpg


遅筆の作家の家で納戸に鎮座して仕上がりを待つ編集者のサチコ!= 唯一の趣味、高倉健ファンなので「幸福の黄色いハンカチ」の出所後の食事シーンに自らを重ね合わせるのだ!

b0046213_21163975.jpg


初見の編集には会わないという人嫌いのジーニアス先生の心を粘りで開くも、感じたことはフィルター通さない芯の強いサチコ!キッパリ言うね!

芯が強過ぎて、やっぱり人の目など関係ない!というタイプなわけで

b0046213_21185415.jpg


「おひとりさま」とて、香川にで目立つうどんタクシーの予約も躊躇なし。

彼女がどのぐらいカタブツなのかというと

b0046213_21184112.jpg


逃げた作家を追うにも皇居のジョギングルールを遵守したいサチコ!

b0046213_21212962.jpg


不意な冠婚葬祭にも対応できる週ごとスケジュールのクローゼット!
平日の上は常に同じというルパン並みのワードローブ。

昔より人物のデッサンが(ぼちぼち)洗練されていますし、昔よりもかなりアングルに変化がついて元来のプチコメディ路線が動的に花開いているように感じます。ギャグってやっぱり動きが欲しくなりますし。過去の the 山田家は当時けっこう人気が上下している風合いが合って、この人は基本絵というより台詞にセンスが光ると思っていたの → で今さらながら市場で再会できるのは本当に嬉しい限り。
[PR]
by jaguarmen_99 | 2015-05-28 21:30 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(1)
【忘却のサチコ】を読みました(前編)。
【忘却のサチコ】を読みました。

あぁ、この作家さん、昔ヤンサンで the 山田家とか描いてた人なのかぁ。画風がかなり変わってるけど、私はこういう変化はとても好きで、昔見た作家さんが今も頑張っている!というのを見つけると、素直に嬉しい。(私は築地魚河岸三代目を読んでいる時に昔コロコロコミックで「がんばれドンベ」と描いた人だと気づいて驚いたし嬉しかった)

サチコと言う名は幸せになるようにと願って、そうつけたのです。

サチコは文芸雑誌編集部というそれこそ自由が跋扈そうな職場にお勤めの超のつくカタブツ。とにもかくにも誠実で真っ直ぐです。すべてにおいてブレない、むろん恋愛にも同じ態度なので、恋人にも甘いエコひいきなどしません。旅先で出会った修吾と祝言をあげることに…なったのだが。

b0046213_2057215.jpg


結婚式で新郎:修吾さん逃走!さっきまで居たのに!なぜだ!それは誰にも分からない!(あまりのことに修吾の母親も卒倒)全然幸せじゃないサチコ。だが、ありのままの現実にただ淡々と向き合うカタブツなサチコ。やるべきことをやるだけ。ダメージなどない…とは思っていたのだが。

理屈では分かっているけれど思いの外新郎に逃げられたダメージは深かった!初めて自分の感情をあらわにしたサチコはふらふらと入った食堂でサバ味噌定食を注文。
b0046213_2135031.jpg

うん、サバが何だかでかいんだけど、パース寄り過ぎな感じもあるんだけど、マンガって心象なんだよ!ついでに汁物をあんな遠いとこに置く店側の考えも良く分かんないけど!いいんだよマンガなんだから。しかし1人メシで久しぶりに生きた食事をしたサチコはサバみその旨さにしばし修吾のことを忘却。そうだ、旨いもの食ってれば次第に修吾さんを忘れて行くのではないだろうか?

b0046213_20564317.jpg


修吾を忘却できる日までココロの仏壇を作り、忘却道を歩みだしたサチコ!真っ直ぐ過ぎて普通ならかばってくれそうな実母も「修吾さん死んでないでしょ!?」と青ざめるほど。

記事後編はこちら
[PR]
by jaguarmen_99 | 2015-05-28 21:29 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(0)
マンガ読んでます【あしたのジョー:てこの原理で勝利】
名作「あしたのジョー」を読んだ私。

主人公:矢吹丈はクロスカウンターという必殺のカウンターパンチを少年院での戦いの中から身につけます。

b0046213_1839303.jpg

b0046213_18402665.jpg


すんません、私昔からこの辺りの理屈が良く分からんのです。どのへんがテコなの?そしてテコらしいんだけどジョーも敵のパンチが当たっちゃうんです、毎回。上からかぶせて自分はダメージ減だっていうならまだ分かるんですが、いつも我慢比べみたいな終わり方をする。さらに

b0046213_18423282.jpg

????(※文字化けではありません)


理屈は分からない、だが夢のような高利回り。釈然としない、と思ってたらあっ!そうでしょう?やっぱりそうだよね!?ちょこっとネズ×講みたいなニオイがしてたし。さすがは脚色の天才、梶×一騎だぜ。だがまあ、当時はいまみたいに情報が身近ではないから、物事の等身大っていうのは見えづらかったんです。そういうリアルとフィクションを織り交ぜてファンタジーを作るのが梶原×騎はすごく巧かった。そういう才が溢れるばかりに「空手バカ一代」も途中で作画が変わったり組織内に内紛を招いたりもするほどなのですが。とにかく私としては漫画家としての、ちばてつや御大の表現に感激するばかりなので以下は間違いなく漫画家の技量が光るぜという前提でご紹介いたします。

ジョーは作中、結局恋などをすることはありませんでしたが、彼を想う女性は2人いました。「林屋の紀子(のちに西の嫁)」そして少年院時代からのつきあいとなる犬猿の仲「白木葉子」がいました。

まず紀子はジョーに想いを確かめるべく面と向かうも → ジョーから暗にボクシングがやりたいだけ、それ以外のことは興味が無いんだと暗に返事をもらいます。ジョーは生涯のライバル力石を試合の事故とはいえ引導を渡してしまいました。
b0046213_191849.jpg

しかしその後の葛藤からよみがえり、ジョーは自分がボクシングに魅入られているのだという結論に達します。

b0046213_19122484.jpg


紀子は想いを寄せるもジョーのストイックが過ぎる姿勢にすっぱりと諦めをつけ西を選ぶのです。
b0046213_1925249.jpg

b0046213_19522964.jpg

紀子含みがあってコエエ!しかしこういう表現は梶原氏だけでは絶対できない。他作品も読んでるから断言できます。ここは漫画作家さんのドラマを描く才だと思いますね。

既に体調に異変があるジョー。打たれすぎたことからパンチドランカーの諸症状を表しています。
子飼だったボクサー力石をダメにされた恨みはある、だがやたらとジョーに絡んできた葉子は誰より早くジョーの異変に気づきホセとの試合を止めようとします。止められることをきらったジョー。葉子は最後にジョーを捕まえられる試合当日の控え室へ。そこでアレだよ!
b0046213_1932478.jpg

b0046213_19321885.jpg

出口をふさいで行かせない!と泣く葉子。じつは告白直後にあるシーン
b0046213_19352216.jpg

最近まで…とか言わんとけ葉子さん、と平成だから思うが、この昭和シーンではかなりイケてるけど虫がすかん!だがビジネスではちょっと意見が合うときもあるワイ!という気の強い少女漫画的主人公が突如反転、ジョーに降る重要なシーン。ジョーもそれを決して無碍には扱わず自分たちの関係はこうだぜというという雰囲気を念押しするように葉子を諭して最後のリングに上がります。葉子はこのマッチメイクに関係していないのでビジネスマンとしての立場からも止められない。だからこそ感情があらわになるのです。

b0046213_19471664.jpg


勝敗は関係なく、ただ自身が燃え尽きるか否か。
最後の死闘を演じたジョーは途中、既に西の嫁となった紀子と話した晩を思い出す。

b0046213_19422383.jpg


いつだったかなあ…。ボクシングで真っ白に燃え尽きたいんだ、灰みたいにね、と紀子に話した晩を語るジョー。この漫画、なぜかジョー本人の想いはあまり語られずその行動でのみしか見えないのです。
死闘ののちおぼろげな表情で「葉子は…………いるかい?」

b0046213_2025389.jpg

b0046213_204437.jpg


ジョーにはおぼつかないままの愛はあったけど恋はなく。ただ早足に燃え尽きて逝ってしまうらしい男。そしてそれを受け止めなくてはならなかった女性。このコマ割り、この台詞のタイミング。
こういう、人が愛しいという表現が一律ではない、という部分はまさしくちばてつや御大の漫画の温かい魅力なのではないでしょうか。

ちなみに私は弟さんの「キャプテン」も大好きでした。
ああ、同じ家の人なのかなっていう画風が感じられてあちらも温度が有ったなぁ。
[PR]
by jaguarmen_99 | 2015-05-02 20:18 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(8)
マンガ読んでます【あしたのジョー:うどんといったらマンモス西】
名作

あしたのジョー/ちばてつや



ちなみにちばてつや氏は現在文星芸大で講師をされておられるとのこと。←リンク先マンガは過去にご紹介したことがあるコノヒトです。昔、下ネタミクロイドSみたいなの描いてた覚えがあるんですが、多彩なモノマネマンガ家さんとして出世してるなぁ(笑)。上記リンク先では田中氏も「あしたのジョーは青春のバイブルだった」と書かれております。当時青春のバイブルだったのは当然良いとしても、年を重ねた今もなおバイブルにしている人は結構少なくはないかもしれなくて。ググると暑苦しい熱く狂おしい礼賛〜サブタイトル:俺の青春回顧録〜がたくさん混じってきます(そして想像つくと思うけど長文)が、同じマンガを読んだ結果としても「ジョー=自分として読んでいた」人と「マンガが好きでジョーが出ているそれを読んだ」とに温度差が生まれるのは必然です。この感覚のズレは世代にも一因があり前者から見れば私のような後者はずいぶん醒めて見えるかもしれません。よって私はマンガを消化した自分自身ではなく作品や作家さんに自分の感想をつけたいと思います。

さて、私にとって名作【あしたのジョー】を迎えて何を考えるかといえば、やはり

【うどんといったらマンモス西】

にほかなりません。むしろジョーは分かりやす過ぎていまさら知りたいこともなし。恐ろしいことに「うどん マンモス西」でググると結構アタるのですが、別にマンモス西がうどんを発明したわけでもなく、前人未到のうどん記録を立てたわけでもなく、うどんチェーンの名物社長なわけでもなく。
ただぶざまに鼻からうどんを出して地べたに転がっただけです。それなのにキュリー夫人といったらラジウム的に昇華されたまとめイメージがあります。マンモス西って誰?という方もおられると思うので、あらすじをちょいとまとめます。

++++++++++++++++++++++

悪行ばかりの孤児、主人公:矢吹丈(やぶきじょう)は元ボクサーの丹下段平(たんげだんぺい)に才能を見初められるも鑑別所入り。ここで出会った力石徹(りきいしとおる)に凹まされ、ライバル心からボクシング(作中では拳闘とよぶ)に人生を賭けて、不器用ながらも自らが”燃え尽きるまで”ボクサーとして生命を燃やし続けます(※これについては次回)。

++++++++++++++++++++++

このジョーが鑑別所(=少年院ね)入りしたとき、同室の長としてジョーにいじめをしかけ、返り討ちに合うのが西寛一(にしかんいち)くん。のちのちジョーと微妙な主従関係をもちつつ生涯の友となります。出所後も西はジョーと同じく丹下のもとでボクサーに。その西寛一くんのリングネームがマンモス西なのです。

さて、このマンモス西、試合前の減量苦に耐えかね、夜ごと屋台のうどんをすすっている事が、あとをつけてきたジョーにバレてベアナックルでぶん殴られてしまいます。ここです!鼻からうどんをふきだしながら、自分をダメな男なんだと泣いて卑下するシーンがあり、このシーンが強烈すぎて人生でたった1度かもしれないのにマンモス西=うどんに関係があると定着してしまいました!ハッキリ言ってこの当時の西がボクサーとしてちょいと意思が弱かっただけで、その後心を入れ替えて別人のように頑張っているシーンもあるのですがなぜか西=うどん=ヘタレというイメージが固定化してしまっています。うどんには何の罪もありません。ちょっとワルから更正すると素晴らしい善人に見えるマジックが、なぜか西には適用されてしかるべきなのにありません。

私は昭和な東京生まれのせいか食生活といったらうどんにはあまり縁がなく(うまいうどんなんてまず無かったと思います)蕎麦ッ食いとして育ちました。庶民の口に入るうどんといえば、出前OKという店が適当に出すよ、というレベルだったはず。もちろん決して旨くはなかったので、ヘタレの西があんなに太い麺を鼻から出すなんてフィクションだと私の気持ち的にも誤解が深まりました。

b0046213_9463175.jpg「見たくなかったぜ!」とブン殴られ、腹のなかみをブチまける。これで終わりと思いきや、こののちマンガ全編にわたり終生このことをジョーに皮肉を言われ続けることに。かわいそうな西。ジョーにとっても印象が強過ぎたのか。


ライバルの力石を自らの手で失い放心のジョー(次回で説明)。友としての想いからマンモス西はいまこそ前を向くべきだと諭す → やはり過去を持ち出され
b0046213_9493886.jpg

b0046213_9494275.jpg

「うどん野郎」と造語で罵られてまでまた殴られる始末(このあともんどりうって土手を転がるという泣きっ面に蜂)!どこか怨みとも受け取れるジョーの執拗な態度にはにスポーツマンらしさなど皆無。ジョーが怒ったのは本当は自分もうどんを食べたかったからなのか?もう一度言いますがうどん自身には全く罪はありません。うどん=西=ヘタレがイコールで結ばれたのがこの瞬間だとしたら、間違いなくジョーの逆恨みとステマのせいなんです。西は悪くないんだヨ!

しかしあんまりにも、うどんドンドコ責め続けられたせいか
b0046213_957396.jpg

自虐も始まった西。自分でも言っちゃったヨ!本当は西だって結構イイトコまで行ってるんだぜ!
b0046213_9581243.jpg

しつこい!防戦いっぽうだがやはり、うどんトラッシュも決して忘れないジョー。黒歴史をほじくるのは、もう許したげてと思いつつ笑ってしまうな、コレ(つд・)。

奉公先の林屋での昼食にうどんを喰らう西!うどんが出てくる「西のうどん」ラストシーン、ここで衝撃の真実が!
b0046213_10244874.jpg

うどんは西の好物だった!


記憶違いかもしれないけど、問題の「鼻からうどん事件」のシーンも含め全編通してもじつは西はうどんが好物だ、という設定は具体的に記述が無かったように思います。屋台の親父に出て来たうどんに口上を述べてますが、じつは屋台でジョーに殴られたときも「たまらん」とは言ってもそれが好物だとは言っていません。しかしジムに適当な距離の屋台だから誘惑に負けたメニューがうどんだった、ではなく → うどん屋台が適当な距離だから大喜びで行きました、では…あぁ、そう…やっぱりアレうどんが好きだったからなんだ、と何故か西にがっかりする気持ちが。いや、西を後押ししてあげたかったはずなんだけど!いずれにせよ、とうとう安心してうどんをすすることができた西。おめでとう!むしろちばてつや御大はなんでこんなシーンでいちいち好物だろ、などと余計な情報を入れるのか。連載当時でもうどんと西を結びつけるむきがあったのか?

b0046213_1039267.jpg


鼻からこの太麺さえ出していなければ平成の世で「うどん県」でのはたらきも大いに期待できたのかもしれません。私もネギでむせってラーメンの切れっ端を鼻から出したことがあります。まあ、西をかばってはみたものの、私もマンガみたいなこと起きるんだな」「これ以上の太麺は出せんわ…」と苦笑いしたので西を擁護しつつ西ヘイトというマッチポンプ。

b0046213_1182916.jpg


さて、鑑別所で出会った当初は牢名主みたいな雰囲気だった西なのですが、ジョーと行動を共にするあたりから弱気でヘタレ、デブのいいとこなしみたいな逆転描写になってしまいました。その先の「鼻からうどん事件」だったため、マンガ読者もアニメ視聴者も、ついその鼻から出しづらい太い麺類という強い印象にイメージが固定してしまいましたけれど、よくよく見直すと西は作中では決して負け組ではなくむしろ人生の勝者であり、他者をはねつけてまでリングに己のみの勝利を見つけるジョーが世間と乖離していくようすとは非常に対比的に描かれてる人物です。

ヘタレイメージ先行なマンモス西なのですが、物語全体からでは決してそうではありません。昭和の時代に世間では鑑別所あがりというハンデがあったものの、林屋という理解ある商店に奉公先を見つけ粉骨砕身、そしてその人柄から(これはマンガよりアニメで強く描写されています)林屋の取引を増やし事業を拡大させるまでに至り、最終的には店主の絶大な信頼と店主の娘:紀子の心を射止めることになります。

マンモス西はボクサーとしては大成できませんでしたが、奥手な彼の想いを知りつつジョーに想いを寄せていた紀子はある日を機にとうとうジョーを諦めて西に天秤を振ります。これについては紀子が西を悪くは思っていないという具体的な描写がなく、作中ではある日そうなっていた、ということになっています。昔読んだときは紀子の浮ついた印象も受けましたが、今読めば紀子は当時の適齢期です。ジョーがストイックを完結するにはワガママという称号は間違いなくついてまわります。ワガママともストイックとも言えるジョーの気質を鑑みると、もし一緒になっても彼女は犠牲になるよりほか考えられません。オトナになろうという紀子がジョーを諦め西を選んでも、いまの私にはそれが十二分に理解できるところです。

ちばてつや氏がスゴい描写だ!と思わせるのは特にこの作品ってば、女性って林紀子と白木葉子と、ちびっこのサチ(小学校低学年ぐらい)この3人しか出てないので→ 実質主人公と絡んでくるのは葉子と紀子の2人だけ。なのに、林紀子がジョーを諦め西とくっついてかららしい経緯の描写が強烈です。久しぶりにジムに現れジョーの東洋チャンプの偉業をたたえる西の横に別人のような紀子。丹下段平は「紀ちゃんなのか?」と見まごうほど。この間合いが何とも言えません。おそらく”おんな”になって人生を決めたと思われる紀子。これを1コマで描ききれるのってスゴクネ?!結婚式での西との表情が対照的過ぎます。

青春の季節にあっという間に艶っぽくなって輝き始める。そんな言葉にできない思い出の風景が一瞬として切り取られてマンガになっている。冒頭リンクしたように、御大のデッサンの賜物なのではないでしょうか。さらに!だ。

さらに結婚式での紀子の手は西のタキシードの袖に隠れ手先しか見えないのですが、西の腕の太さを鑑みると上向きになっている紀子の手先には相手にきちんと手をまわしていることが分かります。紀子の覚悟がよく見てとれるところ。

若い頃に読んだ時分には感じ得ませんでしたが、トシを重ねるとなぜか人の気持ちを慮るようになる部分がございまして、そういう私としては梶原一騎(※高森朝雄とか朝樹とか同一人物)原作のマンガは数作読みましたが、原作者を超えマンガの作者らしさをきっちり残したのは【あしたのジョー】のちばてつや御大だけだったのではないかと感じます。他のってマンガというよりビジネス臭がとても強いのです。西を筆頭にキャラクターが全て相対的な輪郭から背景を描き分けられている。この意味合いからもこの作品は非常に希有な部分があり、名作と呼べるのではないでしょうか。正直原作者の力ではなく、こればかりは作家さんの力ではないかと思っています。
[PR]
by jaguarmen_99 | 2015-05-01 21:02 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(0)
マンガ読んでます【プロローグ】
近頃文字読みたくねー、という反動からか(以前より)よくマンガを読んでおります。
イイトシになってもマンガは大好きです。新しいもの、それから特に古い=連載の途中までは読んだが読まなくなった、というものも含めて読んでいます。

マンガを読み直したり、既読だが触れ直してみると、古いマンガにはその時代性も反映されるので、いま読み返すとそれが少し恥ずかしいような笑いを誘うときもあったり、あるいは当時感じ得られなかった作者の深い洞察が見えたりしてとっても面白いです。私は幼少時、絵ばかり描いていて総理大臣か漫画家になりたかった(いずれにせよカタギじゃない気がする)。

昔の私にはマンガ週刊誌を週4、5冊買ってた時期もありました。でも、それがマンガ愛かといったらそうとも言えない。恐らく一般の人よりはちょこっとマンガを強めに愛していたとは思うのですが、楽しみ方が多彩なマンガは、「旨い店」の基準が人ごとに振り幅の大きいある主観であることと同じです。広い裾野はたくさんの見方を生むはずで、作家さん自身のファンとか、単に作品のファンとか、あと、左手に何かを宿しているよな世代と落ち着いちゃったオトナでは同じ作品の受け止め方が違うのも然り。私が今既読のマンガを改めて楽しめるのはこのように定点を元に変わって来た自分がいるから、ですね。

そこで、読んだものをママ、私風の感想を加味してドコドコあげてみたいと思っております。
基本的に私は作品として接する傾向が強いので、ピカソだからといって作品に全て頬を赤らめているタイプではありません。よって私は他人の好みには口出ししないけれど、だからどうか私の好みで言うことも許しておくれ。

新たな発見があり読み直すと胸が高鳴るものもあれば、逆に当時週刊で読んで違和感を感じなかったのに、まとめて全体で読むとコレは…というマンガを再発見するという悲しみもあったりします。

気が向かれたら、ぜひお目汚しに。
[PR]
by jaguarmen_99 | 2015-02-06 21:15 | 世界遺産的マンガ&BOOKS
マンガ【決してマネしないでください】を読みました。
マンガ【決してマネしないでください】を読みました。

通う大学の『食堂のおばさん:飯島さん』に恋をしてしまった掛田くん。
意を決して告白するも理屈が過ぎて相手に会話として伝わってすらいないのでした…。

大体のことは1度や2度や3度や4度失敗するけど勝負はそこからだ!(←こちらで第1話を読めます)たのもしいぞ理系!

掛田くんは工科・医大の物理学科に所属する大学生。飯島さんに想いを伝えたいのに
b0046213_18491676.jpg

女性にまったく免疫がないままここまで来てしまった非モテ&非リアくん。どうしてよいのかサッパと見当すらつかない。
b0046213_18584224.jpg

もしも飯島さんに振り向いてもらえるのなら『素数の中で唯一の偶数である「2」の魅力を認めてもいい!』という常人には分かりづらい覚悟の恋。「λ(ラムダ)」という字が人と人が支え合っているように、サークルに出入りする怪しい仲間が手伝って理系として彼の恋の告白を応援してくれることにはなったのですが………という理系あるある物語。

私は元々文系の成績だけが良く服飾の専修学校に進んで(中退したけど)大学行っとらんのでサッパリゆえ、キャンパスライフっていうのにはとても憧れてました。

私は高校生の時はバス通学をしておりまして。『電気通信大学前』というバス停を毎朝通るてはずとなっておりました。略してデンツーダイ、と呼ばれ地域のランドマーク的存在だった電気通信大学ですが、あれだけ身近でありながらナニをしているのかサッパリ知らぬままに時は過ぎる。私としては何だかモールス信号を打ち合う学生たちみたいな妄想が広がってたんですが。

b0046213_18583170.jpg


まさかこんなに高度なバカバカしいことをやっている大学だと沖縄で知ることになるとは思ってもおらず。理系のことって何か直接人の役に立つかもしれないぞ、ということが微妙〜〜に想像できて私的には萌えです。文系が悪いっていうんじゃなくて、たとえば私が行ってた服飾とかって元が感情なんですよね。文系ってそういう平和時のゴールを目指してるとこあると思うんですが、理系って物理的に人が困ってることにダイレクトに作用するようなイメージがございます。スーパー行ってね、粒の揃った野菜とか。モノがだいたい誤差なく届くロジティクスとか。科学じゃないですか?私たちは知らずのうちに理系的な恩恵に預かっていると思うのです。

ただ、理系の人数人と1回だけ呑んだことがあるんですけど呑むという場はやはり感情先行、文系の独壇場。社会性とう妥協が無いという点では DQN とちょっと変わらないとこがあったりで確かにこういう人が恋人を作るにはちょっとハードルが高いかもしれない。ホント自分って普通だな、と思えちゃうもん。だからやっぱり「第三者的に眺めているぶんには」憧れちゃうなぁ(笑)。頑張るんだ掛田くん!

登場人物のシャツのチェック率とかTシャツとかささやかにおかしい。
[PR]
by jaguarmen_99 | 2015-01-27 19:17 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(22)
【優雅なハリネズミ】を読みました。
【優雅なハリネズミ/ミュリエル・バルベリ著、河村真紀子訳】を読みました。フランスの小説です。

**************************
マダム・ミシェルは、優雅なハリネズミです。
外見は棘で、がっちりした砦でおおっているけれど、心はとても高貴な人だと思うのです。
ものぐさなふりをして、頑として孤独を守り、すばらしく洗練されている。まさにハリネズミです。


**************************

感想


せつない、せつないんですがイイハナシだなオイ。
コレ、映画になったらしいんですが日本ではロードショーがありませんでした。探してみるとオフィシャルサイトが潰れてます。ヤな予感。原文では読んでいませんが(いつか挑戦したいとは思うけど無理だろネ)翻訳家さんがかなり気の利いた訳をされていると思います。

とある高級アパルトマンの管理人ルネ=(マダム・ミシェル)は主人公2人のうちの1人。自らの美貌が低いせいで、かなり知的な精神性を持ちながらもそれを周囲のブルジョワに悟らせることをきらい、夫を亡くしてからもボンヤリした管理人を演じ続けています。ブルジョワ住人達は彼女の期待通り彼女を下に見る日常。

未亡人ルネは自身の美について諦めており、かといって恋愛体質ではありませんので人との出会いに期待をしていません。しかし人知れず彼女は感受性と心をたゆまず磨き続けています。かなりの教養人なのです。だからたとえば他人の無頓着な人の文法の間違いにぴくりと反応します。日本でいうとテレビアナウンサーが「ら抜き」を使うようなシーンでしょうか(私もぴくりとしますw)。が、必然的に彼女はあくまで脳内ツッコミに留まるのが常なので、これがいちいち可笑しい。

さて、2人のうちもういっぽうの主人公12歳のパルマは女の子。ルネが管理人をつとめるアパルトマンの、つまりブルジョワ住人の娘です。2人は顔は合わせますが、パルマは管理人のルネについてはよく知りませんし、正直話をする機会と勇気もありません。思春期とその聡明さゆえに世界に目を閉じ、自身がブルジョワ階級として得る特権にすら疑問を感じています。多感な彼女は世は不平等であり、どうやら自分は虐げることに疑問を感じるという現実に打ちのめされています。

疑くて済むならいいのに、ついうっかり考えてしまう12歳のパロマにとって受け皿のほうが狭過ぎる。生きることは苦痛です。世は虚構ばかりで、それならば自宅を含めたこの虚構に満ちたアパルトマンに火を放って自殺する腹づもり!までテンパってきました。パルマは日本びいきで学校で日本語を学び、マンガを原文で読めるようになったあと(なぜか谷口ジローの「神々の山嶺」という渋いチョイス)にはセップクで死のうかな、誰にも迷惑かけないし、と空想する日々です。

ところが、ある日このアパルトマンにオヅという日本人が引っ越してきて、2人の運命は動き始めます。

オヅは裕福かつ教養があり紳士的で(フランス人が望む理想の日本人像なのだろう)誰から見ても彼は存外にウィットに富んでおり海外生活の長いらしい洗練された垢抜け感を持った人物。彼の存在は管理人ルネと住人パルマという平行線をゆがめ交差させることになるのです。

字もデカイんでパパッと読めます。イイ話だと思います。
私自身、実は世は不条理な世界、アンニュイであって、残念ながら清らかな心とか努力があればそれが成功の約束だといえる信心はありません。そういう人間は世を捨てているのかと言えば存外そうでもなくて、この守備範囲というのが自我に直結する限りひどく文化的な影響もあるかと思います。

おフランスよろしく、愛燦々、みたいな大きな盛り上がりのある小説ではありません。
が、感覚的に「ああ……」としか言えない曖昧な多角形、発刊後徐々に人気をあげフランスで「本屋大賞」をとったとか何とか。こういう評価って日本だと怪しいんだけどね。

いまのジャンプ漫画みたいに1人に才能が多くのことを動かす、みたいな話ではなく。いま世にあるように誰もそれがそうと知らず価値を持つ事があり、多くの事は埋もれてしまうけれども…という現実。

それなのに映画観たくても見当たらないじゃないのコレ。

ネタバレあらすじ
[PR]
by jaguarmen_99 | 2014-10-04 20:28 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(0)
【さよならソルシエ】を読みました。
【さよならソルシエ】を読みました。
確か「このマンガがすごい!」の女性編で1位獲得とのこと。(※)

結論:
※ この肩書きは信用ならない



<参考>
「このマンガがすごい!」男女別歴代ランキング

このランキングの1位なのですが、男性版はまだ理解できるとしても、この女性版1位はどう譲歩していいのか分からない。好きだという方には申し訳無いんですが、私には全く魅力が分からん世界だ。おとりよせ王子飯田好実みたいな舌触り。ええとですね、私め個人的にマシュマロが苦手なんですけど、味ムラ(変化)が無いものが中途半端な甘さと歯ごたえを持つ、という状況がどうも、この…。重ね例えて申し上げると、あなたが鮭のオニギリが好きだったとして、これミキサーにかけてグラスに入れて出されたら、わあ有り難う!とは言いがたいでしょ?!

いや、私ですね少女マンガだとかそいうい偏見はもちろんあるけど!あまり無いですよ。
マンガ好きだから何でも読める。

ネタバレありです
[PR]
by jaguarmen_99 | 2014-05-18 17:07 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(4)