前住んでいたアパートはなかなかの安普請で、その前のアパートは安普請そのものだった。音が漏れるのは有る程度仕方が無くて「その前のアパート」は程度よろしく何かキズ持つ身の上の店子しかいなかったわけだ。音すら漏らさず血を吐いて人知れず死んでいた人もいたっけ。
衣食足って礼節を知る。そりゃあ真実だろうと自分は思うのだが、これに騒ぎたてる、つまり人間の権利がどうの、という輩は最終的に自分を安全圏に置いておくことに慣れた人だと言っても良いのだと思う。ものすごく簡単に言うと、楽な挫折しか知らないのだ。もとい、それを挫折として後付けしているようなのだ。心の底から自分が無力だと傷つく事と、それが手に入らなかったという事実とは並べるべくもない事なんじゃないのか?ナニもかもそんなに平たいはずが無いと思うのだが。
かくいう自分も「色々な事があった」の中の個人的な比類のない体験を除いたら、もう少しありきたりでも良い、幸福に包まれていたのか怪しい。得たものはネガティブな真実とはいえ、それで何故卑屈になる必要が有るのだろう。
で、今日書きたいド近眼(ドキンちゃん)はだね。
前のアパートで隣室に越して来た人が何故か子供だけ。安普請って事に理解が無く、遠慮という凹みが無いもんで夜ウルサイのですよ。「ア〜〜〜!風呂は最高!」とかでっけぇ声で夜中に叫ばれて、その恥ずかしいの漏れてますよ、と。で、ちょいと親御さんらしき人がいたからウルセェし、そういうつもりでもう少し静かにしてくれぃ、と頼もうとしたのだが。
「声を出そうが出すまいがウルサイのはこの建物の構造に問題があるわけでそういう文句は不動産に言ってくれ。静かにしろって、それとも子供を殺せっていうなら別ですけどね!!!」
当てて加えてどうもご婦人の傍らにはご主人らしき方。もうよせ、と言うのならまだしも。
夫妻とも考え同じっぽ。「ヘッ!」という目で奥方を部屋へと肩を押す。
キャアアアアアア!!!マジで世界が違うっす(;Д; )。それを不動産責任にする器量も自分には無いッス!!!おサイコ様降臨!!!この恐怖に耐えられたのは自分が既にアパートを出る事が決まってたから。
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この話、ちょっと後半に続く〜。