うう、大好きだった鬼才:中山敦支の『
トラウマイスタ』(週刊少年サンデー)が先週終わってしまいました。
<要約>
キャラが立ちまくりのマンガです。ヨッパライが虫喰っちゃたりとか、角も立ちまくりのマンガです。
たとえ早期終了してしまっても、印象の強いマンガは人の心に残るもの。
今日は世界的遺産級お気に入りマンガのご紹介でございます。
これまた鬼才:山田芳裕の
しわあせ
でございます。「大正野郎」でデビュー、独特の画風と描写にファンが多い作家さんですが出世作となった「デカスロン」は
何だか江口達也@「まじかる☆タルるーとくん」みたいな違和感がどうにも馴染めなかった新世界を獲得。
とにもかくにも「大正野郎」で犬が歩く擬音を「ちゃっちゃっちゃ」と描写するセンス。
ワタクシ、これだけでハートをわしづかみにされましてよ?
時は未来。主人公
ジュンじいちゃんはバブル期に青春を謳歌したコピーライター。ノストラダムスの大予言流行中!世界はどうせ荒廃していくのだとシニカルにあざ笑っていたのは遠い昔。
時は過ぎ、そして世界は
皆イイ人になっちゃった
のでした。
同居している息子嫁にイヤミを言うも当然
イイヒトなので動じません。のれんに腕押し。
なので’80'sの闘うスピリットはいつも不完全燃焼。外見に悲しいまでにこだわる'80'sのオシャレがひどくカッコイイ
ジュンじいちゃんですが周囲がやたらに善意的なので「ばーさん、お前は先に逝ってよかったな」などと遺影にグチをこぼすあたりはタダのすねた老人、というより長谷川町子あたりと変わらない描写です。ちなみにこの時代の憧れの職業は「八百屋」だそうです。
※橋本君は校内一の不良である。
気苦労の絶えない
ジュンじいちゃんも当然タテマエを気にする'80's。基本家族思いなところがあり、口でさんざ言うわりには家族旅行にくっついていったり孫にほめられるとこっそり照れたりと
ツンデレの様相。
<参考>
・
特攻の拓占い
(※↑この人死にます。)
しかしこれはマンガの世界だろう、と私も笑っていましたが、何だか近ごろ笑えないというか。
近ごろ私にとっては、こういう過ぎたイイヒトをたくさんお見かけするようになった気がいたします。
それはそれで世の中にはイイコトなのかもしれませんが、どうにも柔らかいモノだけ食べているとイラつく性質の私としては
ジュンじいちゃんに近づきつつある予感。こんなふうに恰好よくトシをとりたいもんです。