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【20世紀少年】を読みました。
大人買いした2作品のうちの一つは

20世紀少年


+21世紀少年です。



なぜか全く興味がわかなくて、映画になったらなおさら興味が失せてと縁がなかったのですが、相方チョイスでこのたび初めて拝見。読んではいなくとも賛否両論意見が分かれていた作品だということは知っていましたが。是か否か、駄か良かと問われたら、私の意見は申し訳ないけど

是ではあるがです。
彼の作品中では駄にはいると思うけど、マンガ界全体でいえばこれ未満のものなんてたくさんあるから否ではない。

えぇーーー!?


といって読み返した人が殆どでは?「科学冒険漫画」という謳い文句なかつ物語上でも「理科の実験」にまつわる話が主軸に絡んでくるせいか、進行は実験的です。確実な恐怖の表現ということなんでしょうか。私も運悪く夜中に読んだせいか「連絡に使う本」「高須を狙う看護士」で「うわっ!」と2度声をあげました。ただ、物語はとっちらかった印象。

再読して”ともだち”の正体について納得はしても、今度はじゃあなんでそれらが執拗に動き続けるの、という動機がサッパリ不明なままだし(さらに年齢を重ねるほど誰かを恨み続けるというのは大変な努力が必要なのだと知っているのでよけいに分からなくなる)スプーン曲げの話は全体では全く絡んでないような気がするし、そして何より私が生理的に「本物が駆逐する」はずのキーワード曲

「ボブ・レノン」

が全く気分に響かなかった。マンガでは歌詞しかみえませんが、ストリートで弾き語りをしても誰も来ない、という時点では等価だと思えます。が、この曲の価値が作中で上がり続けると強烈な違和感。これ、明日が無い人たちが喜んで希望を託す歌詞だろか?それとも私が単純にこういう感じの歌詞を好まないせいなのか。
ありがたいことに曲付きであがっておりました。作中ではいつ死ぬか分からない人たちがコレを訊いて正気と明日への希望を失わない、という事になってるんですが‥‥





いくら何でも今日、明日に死神が来るかどうかと待つ人びとに、ウッドストック的な平和の達観ってあるかなぁ‥‥?私にはどの時代にもそれは無いんじゃないか、という気分。こういう考え方って自分の好きな方向だけ向いて生きて行く性質の人の特権のような気がして、あまり一般の整合性はないような気がするんです。

でも、売れたんですよねぇ…。

これがさらに私の「分からない」に拍車をかけます。浦沢直樹は多作の天才だと私は感じているので作品が玉石混淆になるのは当然だと思う。でもこの作品は実験的なのは認めるけれど、物語に全く収拾がついていないような印象を受けました。浦沢氏は今まで映画監督のように作品を描いていたのに、今回はカメラマンとして撮影に徹しました!という感触です。

う−‥‥ん。BILLY BAT買おうかとも思ってたんですがコレのあとだと‥‥。
by jaguarmen_99 | 2010-05-07 19:04 | 世界遺産的マンガ&BOOKS
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