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第1弾【ペレ×ト×イカ】
ロシア料理専門店

ペレ×ト×イカ



食い物屋としてあまりある革新的かつデストロイな意気込みを感じる店名です。実は私この店に行ったのは随分前なので(正直もたないだろ、と思ったんだけど)最新情報を確認するに「ロシアダンスショー」以外は変わらないようです。旧ソ連のロケットを思わせる廊下のデザイン(リンク先)も気になりますが、店内外ともに白い壁にはロシアっぽいともルイス・ウエインっぽいともいえる装飾(※外壁参考)。店に入ると元スナックだよね、という直角のボックスシートにギラギラとやたら明るい照明。店内にはBPM150(こんなぐらいね)のロシアのアゲアゲmusicが響き渡り、あなたの5感を休ませないギミック満載です。まるで異国、と呼ぶべきか異空間と呼ぶべきなのか。

じきにBGMにノリノリの店長のエリ×さんが鼻歌まじりでメニューを持ってきます。なぜ店長だとわかるかといえば、店の外に等身大の店長の看板があるからです。最新情報に掲載されているシェフの左に写っている民族衣装の女性の写真はたぶん店長の「けっこう若い頃」か無関係なひとなので真に受けてはいけません。ちなみに知人が幾人かこの店に足を運んでいますが、コッテリ太ったロシア人のおばさんが厨房を出入りするのは見ても、残念ながらこのリンク先に掲載されているおじさんシェフは誰も見たことがありません。なにかしらハッタリぼやかしを感じうるのですが015.gifそんな店はナニ人がやっててもたくさんあるものです。さて、メニューを見ると何と言う事でしょう、デザートも含めファミレスの1.5倍はあろうという豊富な品揃えにびっくり!そしてそのうちの9割については「(いまは)作れません」というシールが貼られていることにも重ねてびっくりです!何のためにメニューがあるのか、とついつい考えてしまいましたが、これについては、過日読んだ玉村豊男:「食客旅行」になるほど納得のエッセイがありました。



「モスクワ的レストラン」
できるものは少ないがあれこれ虚勢を張る店が日本にもある、とモスクワの滞在時の思い出を振り返り、メニューからこれを、と頼むとことごとくそれは無い!と繰り返される。初めは腹が立ったが、慣れてくるとまともに向き合うのが面倒なのでひとわたり相手の言うことを聞いてから、ああそう、それで今日は何ができるの?と微笑むのがモスクワでは一番手っ取り早い、とまとめている。



なるほど。つまりこのメニューといい、日本国内にいるのかすらハッキリしないおっさんシェフといいハッタリ的本質をぼやかすのはロシアの奥ゆかしいツンデレお作法なのではないでしょうか。それでは、とそこで有り難くも作っていただける1割のなかから私はビールとボルシチ、相方はピロシキとボルシチのセットメニューを注文することに。すると

ぴぃろじょっき


そう言った、いやそう聞こえた!これがロシアンネイティヴの発音なのか?!しかし異国情緒に感心している場合ではない。店長のエ×カさんがあのデザート美味しい!あんた頼め、みたいな話をぶっきらぼうなカタコト日本語で2〜3つ。コミュニケーションではなく、向こうが言いたいことしか言ってません。私は空手やってるせいか外国の方とふれあう機会が普通よりは多めだとは思うんですが、結構な確率で外国人って日本語の日常会話できないまんま来るのよ、イキオイなのよ。しかしここまで母国の誇り高く押し切られると、ココがどっちのホームグラウンドなんだかわかんなくなってきます。

オススメ、というより一方的に話をされ、いらないと応じるとあとは注文の確認も、頷くというレスポンスすらもなく彼女はスタスタ立ち去ってしました。ここまで突き放されて初めて日本の接客サービスが素晴らし過ぎることを想います。そして日本の価格から想像できる待ち時間をはるかに超えて待たされるアドバンテージが確実に店側にあることを思い知らされます。空腹のせいか、そのうちだんだんさっきちゃんとデザート断れてるのか不安になってきた。一緒に行った相方はセットで、私は単品でボルシチを注文したはずなんでがサーブされた時点で同じ素焼きのポットに入っており、運んで来た店主がアレ?どっちがどっち?という態度をあからさまにしてくれたのでさらに不安です。違いねーのかよ。セットと単品に特に違いはないという不思議なかくしごとツンデレを感じます。それなら特に手間は想像できないのですが、待たされた時間はいったい何だったのでしょう?

結果としては頼んだものしか来ないんでちゃんと通じてて、助かったという気分なんですが。
ちなみにこの店を別々に訪れた知人たち全員が

「注文したとおりだったのでほっとした。042.gif


と口を揃えるので笑えてなりませぬ。私達も海外行くときってこのぐらい強気でいいんじゃないでしょか。

さて、お味はというと可も不可も無い居酒屋チェーン店ぐらいとお考えいただいてよろしい。ボルシチに関して言えばビーフではなくカットされたブラジル産チキンで適当に作ってる感じ。メインのメニューよりもガーリックオイルを含んだパンのほうが血が通っていて美味しい。

ロシアの料理ってメニューとしては一般的じゃないから楽しいけれど、それを当て込んでか単価は若干高め設定。+¥100から150ぐらいです。個人的にはボルシチの素材の悪さがスゴく目立って単価と相殺できませんでした。アルコールは外食での適正価格。それから私が行ったときは有りませんでしたが、行った知人によると「ロシアダンスショー」がやはり有無を言わさぬ強烈さらしく

「キッチンから入り口ギリギリの幅のロシア人オバサンが出てきて、その横で若いロシア人お嬢さんがパンツを見せながらダンス、ドン引きしてたらくだんのオバサンがあんたたちも踊りなさいよぉ!と推定ロシア語で我々を立ち上がらせ、巻き込まれたとしかいえない。」というイベントが発生します。週末お越しになるかたは直角シートでそろそろ背中が疲れて来た、と感じたらぜひBPM150の日露交流をお楽しみいただきたいと思います。

あまりにアッパー過ぎて、私には(ココ行くことは)もう無いと思いますが。

※追記(2017.3.18)
おおぅ、ペレストロイカってば潰れてもとい、無くなってるじゃん!
by jaguarmen_99 | 2013-09-29 17:01 | 沖縄黒グルメチャン
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