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【羣青】の上・中を読みました。
【羣青】の上・中を読みました。中の巻末には下巻もよろしく、なんて書いてあるんですが、ここまで読んだら読むわぁあああ!007.gif読まざるを得ない。

・・・正直5月の下旬ぐらいに上巻を読み、これはヘヴィだぜぇ・・・と避けていたんですが

やっぱ読みたい


中巻買っちゃいまして。もう下巻まで行くしかない。堕ちて行く、というより墜ちていくよな感触。

上巻のほうがヘヴィです。内容が、ではなく心情描写が。

aki9maさんから「船を建てる」を紹介されて、これはとても素晴らしいと感じ、bluegeneさんもそれを推されていたのでああ、(よくある理想的な不特定多数)が納得なのね?!という気分だったんですが、昨今これを2人の他人に貸したらことごとく

感想(要約):「サッパリわかんね」

何ぃいいいいい?!煙草とコーヒーの哀愁がわからんとなっっっ?!これ感想?乾燥?!

私は何かが終わっていく(と自分が感じる)抗(あらが)えない運命、延長線上に死があるというこの残酷な哀しみに泣けた。でも、こちらがニッチなのかもしれない。

<参考>

船を建てる

で、このマンガはですね、描写としてはもう少し浅めのとこにはあるんですが、同性愛がおりなすトコトンのプラトニックが泣かせます。

各所でほぼネタバレしてるので言ってよかろ、というとこまで話すと主人公は女性2人。女子校で貧乏主人公1がいて、もう1人主人公2は金持ちレズビアン。主人公1は2の「昔の」好意を利用して殺人を示唆。主人公2には既に他パートナーとの暮らしもありましたが、殺人は実行され2人は犯罪者として追われる身になります。

特に上巻の心理描写はとりとめもないさまが圧巻。一般としては同性愛はプラトニック、と称するんだか賞する向きがあるけれど、逆に言えば一緒に暮らして行くとなるとですね、役割がはっきりしてない場合なんて特にごまかしのきかないタイトなトコあると思うんです。だけどそれこそ一般的には「わからないよ、だってホモ(レズ)じゃないし!」って言っちゃうと面白可笑しいスキャンダルな話題で済ませられちゃう。私は割とカミングアウトするほうですが経験上「理解するよ!」と教科書通りのこと言う人に限って言葉に多くの含みを持ってる印象です。本当に誠実な人って自身に実直な事しか言えないんだと感心する(笑)。

言いたかったのは、見えづらいけれど温度差はあるんだってことです。無い人もいるでしょう、でも隠しているような人は温度差を感じるでしょう。

さて、このマンガ。これを20代のコがもしノンケで描いてるんなら、ホントにこの人は今の世の中つまらんだろうなぁ、と思う。絶対に同性のほうがシンパシー感じるだろうな、と。(出版界の一方的っぽい事情による休載を含めても作者はまだ20代だそうだ)。ここまで淡々と描けるのなら、よほど人間が嫌いか、愛しいか。そしてその先が同性だったとして何がおかしいというんだろ、と一瞬でも考えたことがある人なんじゃないかなぁ、という印象です。あれっ?変ですか?私は中学生の頃からそんな事を考えてましたが。

マンガの話。殺人を教唆した本人はしんどさをたくさん抱えているが、残酷なそれらを正視してない。でもできるアタマもある。しかし当人が無視してるだけで、実は関わる人々は皆地に足がついて、しかしどういう意図であれ自責を伴おうとする強い人たちなので爽快です。

中巻で出て来る兄&兄嫁と妹の展開は「理解するよ?!」という独特の言い回しの裏を見事言い当てているようにも思う。愛で大きなことを内包することと、自分にとっては些末なことを大事のように内包するぜ!と言われる、その時に感じうるあの違和感。誰かが下にならんといかんのだろうか、というあの達観は普通描けるのかなぁと感心してしまう。

つ、辛いなぁ。直接描かれちゃうと、やっぱりウチには「きのう××べた?」みたいなとこもあるし、この本みたいなとこもある。人はマジョリティに属しながら、マイノリティという差異を見つけ満足するらしい。

正直いきなり同感のままマジョリティに持ち出されると、マイノリティーの当事者ですらあれ?覚悟がなかった!008.gifと感じたりする。犯罪者であるということは、どんな事であれマイノリティーをマジョリティーに引き上げる公平な瞬間なのだと私は考えたことがなかった。

佐々木倫子のような、静止画のような画風なので一見話は止まってるように見えるんですが、描いている心理描写はエグい。下巻、どう終わらせてくれるのか。彼女たちの選ぶ結末=幸福は何なのか。

せめて生きていてくれい、と願うのですが007.gif008.gif
by jaguarmen_99 | 2011-07-30 18:38 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(4)
Commented by samuge-nikukyu at 2011-08-03 14:34
わたし、船を建てる読んだとき別れ話の真っ最中で(笑)、余計にずしんときた記憶が…。
羣青、上巻の途中で「これ電車で読んだらいかん!」と思い、閉じました。おうち帰って読むんだ!
Commented by jaguarmen_99 at 2011-08-04 17:23
■ samuge-nikukyuさま
あれからもう随分歳月が経つような気がしますね・・・。台湾でもチ××かぶりつきのハッチャけ具合といい、全然心配してませんが。
> 「これ電車で読んだらいかん!」と思い、閉じました。
重い、重いですよぅう。コマも小さめなんで隣に見られても平気だろう性描写ですが、性描写以前に確かに外で読むといけないような重さがある。中巻はもっと楽に読めますが、苦い、苦いんだ!

Commented by samuge-nikukyu at 2011-08-04 17:50
重かった…でもおもしろかったです。
自分と趣味が合う友達には薦めてみようかと思います。
中巻のお兄ちゃんの「理解する」のくだり、ご本人ブログにある編集者のエピソード使ったんかしら、と邪推(笑)
ttp://d.hatena.ne.jp/nakamuraching/20090722/1255211576

個人的にツボにきてしまったのは、お風呂で溺れちゃった彼女のお父さんの「知らない男と作った孫より、おれとかあちゃんで作ったお前のほうが可愛い」でした。
わたしも一人娘・独身・子供予定なし・リミット迫ってくる状態なんで、他人事とは思えない…そしてうちの父もそういうことを言いそうだ!(笑)
Commented by jaguarmen_99 at 2011-08-04 20:46
■ samuge-nikukyuさま
> 自分と趣味が合う友達には薦めてみようかと思います
ジャンプの新しい作家さんだヨ、って言って貸してみるとか(爆)。人に絶望してやっぱり人である自分が嫌いになって、でも自分にもかけがえの無い愛があってじゃあやっぱ人にもあんのか?という堂々巡りみたいなトコが淡々と描かれているように思います。
> ご本人ブログにある編集者のエピソード
当人ブログ初めて拝見しましたが、ああ、文章もマンガと同じ色なんで嬉しいなぁ。ツーの方と色々あった、とは知っていましたがこれは酷いなぁ・・・(リンク先)。こういうタイプの人って「自分(だけ)探し」(人の心には元から興味無い)に熱心だったりしますよね。それ向上心じゃねーよ、とツッコミたいような。
> 「おれとかあちゃんで作ったお前のほうが可愛い」
これは泣かせる台詞でしたよねぇ。お母さんが上司に毅然と断りを入れる。彼女はこれからなのに!と中巻は辛かった( ;∀;)
> そしてうちの父もそういうことを言いそうだ!(笑)
は?精神科?おちにゃんヲタは病気じゃありませんよ?(キリッ)お前も勇気が要ったことだろう・・・。
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