【ルパン全集】読みました。
マンガ「アバンチュリエ」の続きが気になって
偕成社版【ルパン全集】(別冊5冊を含む)読破。

30冊だよベイベー


足がもつれて転びそうになったので反対の足を前に出したらそのままフルマラソン走っちゃったぁ053.gifという勢いです。幼児書というわりには字が小さめで、大人でも1冊3時間ぐらいかかるだろうという読み応えムンムン。近所の図書館ではヤング・アダルトというなまめかしい053.gifタイトルの書棚に整頓されてこれまた期待度ムンムン。

ここでちょっと私的なことに話題を変えます。
私はマンガファンだけど活字なんて最近手にし始めた限り。だから活字の醍醐味の一つであろうミステリーというジャンルがよくわからない。シャーロックホームズや金田一氏がミステリーのヒーローだという程度は聞きかじっているけれど魅力に直接繋がるわけじゃないある時期からミステリーマンガが流行ったとき私は少しミステリーの魅力を感じうるのかと思ったけど、正直違和感を感じて思いが改まることが無かった。ミステリーマンガ=金×一とかコナ×君とか読んではいたけれど正直、面白いと感じたことが一度も無いんです。求められる謎解きの段取りというものが異世界に感じられた。

それこそが謎を解く楽しみなのさ、って言ったらそうなんでしょうけどその楽しみ方というかお作法が、そうにもさっぱり分からない。お約束で目にする死体のそばに糸やらダイイングメッセージやら。なるほど!この糸にこうして輪をかけて密室の出来上がりさ!とか、甘いものが苦手な人だけを狙って皆で分けるケーキ全体に解毒剤を入れたとか。そして解を得ても全然爽快感が無い。自分の推理が合ってたぜ!と思ってもそこまで楽しい気分ではない。これがミステリーファンの求める「推理」なの?と。

で、予防線として私は相変わらずミステリーファンではないのでドイルも横溝も読まないから定点ではないぞ、と断りを入れておきます。

そんな私ですがルパンシリーズというミステリーは面白い、と感じた。むしろこれを(今まで私が描いたイメージの)ミステリーに入れていいのか?と。読者を突き放す謎解きの×ナン君にもキムダイチ孫にも通ずるんですが、痛快、という表現がまさに。
ルパンは頭の回転の速い男ですが、反面美女に熱を上げやすいタイプで人生がコレで決まってます。そのために紳士たる態度も取らざるを得ないという時もあり、やたらにいびつで人間くさい。ルパンとかのシャーロックホームズ(仮想ホームズ。当時著作権の問題でホームズだとにおわせながらケムにまいた)が化かし合うという巻もあり、これも硬派 VS 軟派 の天才がぶつかるという楽しい設定。2人とも大失敗もするし、だが俺の才で見事アンタを出し抜いてやるぜ、という紳士協定もある。読んでもない私からするとホームズはえらいカタブツさん、という印象でしたのでこういう人間くさいホームズは愛せるような機がした。なんと言うかルパンは人間相手に知恵で出し抜こうとしてるんですが、単にそれだけであって下手な小細工というより人間心理をどう読むのか、という点に重きがあるように思います。

さて、全部読んだのでやっと私のフェイバリットエピソードをご紹介できます。
私が選んだ第1位は…でろでろでろでろ(ドラムロール)ちーん!(トライアングル)

三十棺桶島です!


理由はネタバレなのでたたんでおきます。
怪盗紳士って何だよ?みたいなネーミングですが(夫婦仮面みたいな違和感)むべなるかな、ルパンが泥棒として策略をめぐらせ怪盗ぶりを発揮する武勇伝は割と前半に偏ります。その後は思い出話やら謎解きにちょっかい出すやらで紳士としての趣に傾倒。813を含め手強いライバルが登場するエピは特にものすごく面白い!え狙った女をストーキング&口説くまでの紳士っぷりといったら壮快でダンディーこのうえありません。じつに紳士!女性にはてきめんに弱い、しかし、ここぞという時に蛮勇をふるいます。作品としては戦時の背景も強く反映していることも含め、単純に楽しめるという視点で上記に続け【虎の牙】それから、徹底喜劇の【バーネット探偵社】を上げたいなぁ〜016.gif

別冊からは逆ルパンの【バルタザールのとっぴな生活】。平凡平坦を哲学的にまで望むバルタザールの身の上には驚きの災難に次々と巻き込まれてしまいます。温度差としては同じですが冷→熱へ否応無しという点がルパンとちがって絶対にコメディにしかならないのがひどく可笑しい。

最後に特筆したいのはこの偕成社の全巻を通してタナカマキコ(田中槇子)女史の挿絵が特にルパンの中から後半で素晴らしく、ここで一息!という場所にまさしく!という臨場感あふれる絵を描いておられる。別冊では若干絵柄も変わり少しちぐはぐな印象なんですが編集の問題なのでしょう。
どうしてもありがちなお名前ゆえ確実そうな手がかりを探しきれませんでした。年齢からいえば現在還暦ぐらいかと考えられるのですが。






敵(犯人)がおサイコさん、という特異な設定とルパンが限りなくダンディーだったこと。
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by jaguarmen_99 | 2012-05-19 20:39 | 世界遺産的マンガ&BOOKS | Comments(6)
Commented by bluegene at 2012-05-21 16:03 x
ルパン面白いっすよねー。ちなみにそのシリーズ、私が小学生のときに読んでたのと変わってないと思います(爆) ぜひ堀口大学訳の大人向け文庫本でも読んでいただきたく。字ちっさいけど。ルパンの一人称が「わし」だけど。そんでいつも思うのですが、ルパンの手下が親分を慕いすぎなですよね!

ところでミステリー、日本の作家さんのはなんていうかトリックが目的となったトンデモものが多いのです (^^; 女王といわれたアガサ・クリスティは短編も多いのでお試しあれ。ミステリの質はトリックの奇抜さよりも犯罪をおかすに至った人間の哀しさが描けるかだと思います。ちなみに私の好みはウィリッム・アイリッシュとサラ・ウォーターズ。
Commented by jaguarmen_99 at 2012-05-22 19:20
■ bluegeneさま
> 私が小学生のときに読んでたのと変わってない
あらまあ、早熟な読書家さんだこと!平均刊行が85'前後だったかな、これ。
> ルパンの一人称が「わし」だけど
抵抗あるなぁコレ(笑)。私、竹西氏のルパンのべらんめえ口調訳もちょっと私の求めるダンディズムのイメージに合わなくて。
> ルパンの手下が親分を慕いすぎ
これ思った。結構身勝手にふるまってるんだけど、と。しかし面倒見がいいことは確かですね。駆け引きが巧い。
> 日本の作家さんのはトリックが目的となったトンデモもの
イッ?そうなんですか!?ミステリーなんて未知だったからアレが世界共通の王道なんだと思っていました。
> トリックの奇抜さよりも犯罪をおかすに至った人間の哀しさ
同感です。小学生とか高校生が毎週ゴロゴロ死体見て屁理屈なんて、お前らまだ大事なこと知らないだろ!と。
> ウィリッム・アイリッシュとサラ・ウォーターズ。
わあ、言いづらい名前。ドイチェかな?今はおふらんす系中心なので、落ち着いたら調べて借りてみます。30冊読んだのは貴台に紹介され奇岩城だけ読んで、は非礼と思ったからです。ナイショ♥
Commented by bluegene at 2012-05-23 10:28 x
刊行年が85年ころとすると、私が呼んでたシリーズとは違うですね。改訂したのかなあ。昔の翻訳では、いわゆる差別語とかが普通に使われてたと思うので。

あ、タイポみっけ。ウィリアム・アイリッシュでつ。アメリカ人で本名はコーネル・ウールリッチ。

そんでルパン、なんと未発表だった最後の作品がフランスで出版されたそうですよ!翻訳が待ち遠しいですなあ。

ttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20120523/k10015309061000.html
Commented by jaguarmen_99 at 2012-05-30 16:58
■ bluegeneさま
あ、URLもう削られてたぁ。・゚・(ノ∀`)・゚・。というわけで調べてみると【「ルパン最後の恋」は、パリ郊外の貧しい子どもたちを助けるために教師をしていたルパン】だとぅ?!
> 昔の翻訳では、いわゆる差別語とかが普通に使われてた
あ、私が読んだヤツは使われてましたよ?
> ウィリアム・アイリッシュ
うっ、図書館に短編集がもりもり有る・・・うーむ。どれにすっか・・・。
Commented by aki9ma at 2012-06-02 20:04
あ、すんません、出遅れましたが、
自分にもおススメさせて下さいっっっ

↓この選書シリーズと
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/異色作家短篇集

あと作家ではドナルド・E・ウェストレイクの、
「ドートマンダー・シリーズ」あたりがよろしいかと。↓参考

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/ドナルド・E・ウェストレイク
Commented by jaguarmen_99 at 2012-06-08 18:54
■ aki9maさま
> この選書シリーズと
異色・・・??(゚Д゚ )アラヤダ!!
うわあ、どれも知らない。【さあ、きちが×になりなさい】とか確かに異色なニホヒがするなぁ。しかし短編集なら初心者にも良さげですね。
> 「ドートマンダー・シリーズ」あたりが
みんな良く本読んでるんだなぁ!と感心します。wiki観ても魅力が今ひとつ分からないのですが順番にこなしていくか・・・。最近借りたい本が浮かばないのでちょうどいいタイミングかもしれない。どーしよう、ハマってしまったら。
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