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スヌーカーという妙。
先日もビリヤードしていると、隣の高校生が「ここはリバースショットだろ」と言ってました。
すげぇなオイ。引くんか、できるんか。

イヤイヤそうそう巧くはいかんだろ


私め「引き玉」と呼ぶ人しか見たことがないので「リバースショット」というまるで IT 系の営業が年寄りをケムに巻くような胡散臭さを感じさせてたいそう趣が深うございます。

なんでこんなガキんちょがそんな専門用語をさらりと使ってのけるのかと思ったら、なるほどわかったぞ。ビリヤードできるトコに行くとたいてい「ビリヤードの楽しみ方」みたいなポスターが貼ってあって、基本的なことが書いてあるんです。そしてショットには押す・止める・引くがあるの!みたいなことが必ず書いてあるんですよ。その引く、のところにリバースショット、って書いてあるの、筆記体でカッコよく。
スヌーカーという妙。_b0046213_191372.jpg

ポスターは余すところなく事実なんですが、このスポーツじたいが「そうは言ってもできないのヨ〜」という『理論上は可』を追求するものなので、実際はそんなスイッチひとつでリバースショット!なんて真似はそうそう、ね…。私も目下練習中ですが狙うようには引けません。それ以前にまっすぐ打つのも至難の業なんですけどね。

ところで私は病膏肓に入る(やまいこうこうにいる)、ゲームでもビリヤードすることが多く Kindle に入れている Pool Break Pro はおススメ。オンライン対戦もできます。日本語表示にするとメニューに「回転ビリヤード」とあり、なぜか昼さがりに目の前の蛇口からお茶をジョボジョボ入れる肩を落とした自分をつい想像してしまいましたが、2日悩んだあとローテーション(=15個の球を番号が若い順から落としてね!)のことらしい、とひらめきました。

このゲームはスヌーカーも遊べまして、気が向くとスヌーカーで遊んでいます。これが楽しい!

難しいんです。


ビリヤード、と一口に言えちゃうなかには陸上競技のように実は区分けがあるのです。
求められる能力や判断力が微妙に違ってくるんです。今日はちょっとスヌーカーについてお話をさせて頂きたい。

私は1度だけ本物のスヌーカーテーブルで遊んだことがあるんです。普通のポケットビリヤードとかなり違います。まず球が小さいのでよほど正確に打たないと入らない。そしてテーブルが広いんです。本当に1度にも満たない角度の違いは広いテーブルでは顕著に現れます。

一般的なプール台と比べて例えると、プール台は普通は数学の先生がテストの採点で途中までは合ってたね、と点数をくれるような寛容さがあるんですが、スヌーカーとか7フィート8ball とかイギリス式〜と言われたらとにかく後ろ向き、の合図です。ポケット部分がかなりタイト。こちらは厳しい古参教師、数式も合ってて答えも合ってないと点数にならんな!という外すとあンの野郎!という逆恨み的な腹立たしい感触が特徴です。

ルールじたいはシンプルで赤い球と色球を交互に落とします。色球は赤い球がある限り所定位置に戻します。コンボのチャンス、ですが赤球先に落とさないといけないので常にリスクがあります。
赤球が全て無くなったら所定の順で色球を落としますが、ゲーム一切に「狙うべき球以外が落ちたらNG」でペナルティを喰らいます。このペナルティが大きい。

この厳しいルール上ですがセフティ(safety)プレーにはポケットより寛容です。一度失敗すれば相手にも同じようにチャンスを与える。これが面白い。だから自分に不利だと悟れば考え抜いて相手にどうやって意地悪をするかと極めて紳士として考えることができる。紳士のふるまいの範疇なんですね。

正々堂々かつ足を引っ張る



という、この騎士道よ041.gif ブシドーじゃねーのよ。外交に近いのよ。
この意地悪がついうっかり自分にないものだったりして(苦笑)、公然の意地悪って楽しいね。たぶんかの国の人々はそういう感情に酔ってるのかも知れない。ビリヤードのセフティごときで新しい自分発見ですよ。

スヌーカーテーブルは国内でもそう数はないと思います。見かけたらかなりの幸運。

<参考>
あるイギリス人スヌーカーの転落(八百長で謹慎処分をくらっています)
by jaguarmen_99 | 2014-06-13 19:05 | ビリってtrès bien .
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