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山下清展としゃれこみました。
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山下清展に行ってきました。行こう行こうと思っていたら、あれよあれよと最終日近し。慌てて飛び出しオトナおひとり900圓ナリ。私は初めて彼のホンモノの作品を観たのだが、900圓?いやいや<1.500圓のお値打ちもの、である。


展示の冒頭でメディアの意図した山下は本来の山下を表現していない、といった書き出しが有るのだがぐるりと廻るに本当にその通りだと思う。私は彼の事を全然知らないので、てっきり花王名人劇場の「裸の大将放浪記」に映るようなものを考えていたのだが、実際の山下は確かにそういう格好をしている時もあるようなのだが実際の作品は大変な技巧が凝らされていて、

相当に繊細で高度な計算がなされている


もちろん、それは結果としてなので、だからこそ天賦の才と呼ばれるゆえんなのだろうが、放浪を繰り返すも当人は案外几帳面な人物だったらしく(最初の放浪は徴兵を逃れたいがため。結果として知的障害と判断され行かずに済むのだが)確かにメディアが生み出したイメージとは、かなりかけ離れているところがある。放浪先から母にあてた葉書もかなり整然としたレイアウトで細かくかかれている。前述番組で観るような光景(毎度のこと清さんの御陰だね、ああ、絵を置いていってくれたよ!というシーン)も、実際には本人は旅先で貼り絵なんかしていないようだ。貼り絵は自宅でイメージを元に仕上げるのだという。

展示品を廻って、ああ、これはいいものを観たと満足していると安っぽい版画の販売。ホンモノの貼り絵を観た後ではガッカリ!!・・・・なのだが案外買い手がついている。展示品には無かったのに「沖縄の花火」が売れている。調べてみると彼は沖縄に一週間滞在したことがあるらしく、急ぎ足のヨーロッパ・アフリカ滞在と比べてもその短さを責めることはできない。恐らく沖縄の極彩色に影響を受けたらしいことはわかるのだが、うーん、作品としては私個人は評価しづらいなー。(=好みに合わない)だって

ホンモノを観た後にこの版画の発色は悪すぎやしないか?!(ノノ )=゜Д゜
「清」という印は本当に彼の望み通りに受け止められているんだろうか?と正直思う。

日本のゴッホと称された彼に、多くはゴッホのまねごとを期待したんだろか。芸術家が模索する過程にはあまり評価できない作品もあるのが現実だと思う。それは人生の縮図そのもので、誰もそれを責めたりはしない。なのに展覧会って何故かそういう現実を無視するのはなぜなんだろ???

ところで私はこういう展覧会に行って、販売ブースに行くと作品よりもいつも作家の写真に気を取られてしまう。何ていい顔してるんだろう!そう思うとどんな作品よりも輝いて見えてしまう。私が一番好きなのはピカソが魚をかじっている写真。そしてこの山下清の下を向く写真は2番目に好きな写真になりそう。
by jaguarmen_99 | 2006-09-24 19:16 | 日々どーでも
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