咳が止まらない。原因はわかっています。
知人宅で汚部屋、いやお部屋の掃除を手伝って来ました。
このお宅、私もお邪魔する時は
必ず黒い靴下にする優良ワタボコリの培養地です。さて、そのゴミの総量たるや
地域指定有料もやすごみ袋(大)で10袋オーバー。私が通行人なら誰かの遺品整理だと思うレベル。このお宅、たしか何年か前にはルンバが居たような気がしますが、モノを片付けない部屋はそもそも彼が通れるスペースがなく、ルンバは自分の周囲だけを磨き上げたあと室内で遭難したと聞きました。
もう1人の助っ人(このお宅の親戚=私の友達です)と2人がかりで2時間奮闘。
私たちとてモノを無作為にバンバン捨てるのは抵抗が無いわけではありません。さすがに大事な物もあるかもしれないんで視認しながら進みます。
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私『これ…』
友『いちいち考えてたらダメだよ…。』
私『そうだよね。』
30分後私『だんだん(罪悪感とか)何も思わなくなってきた。』
友『いいぞ!その調子だよ!』
60分後友『これ…どう思う?』
私『 す て な さ い !』
友『そうだよね、さっきは自分がそう言ったよね。』
70分後友『きづいたことがある。』
私『アァン?!』(疲れてます)
友『宗教ってさっきみたいに、けれんもなく背中を押して欲しいというものなんじゃないだろうか?』
私『なら押す側には根拠はないな。なら答えは決まっている、けど自責を避けたいという葛藤ってことかな。』
友『そうだよね。』
私『我々はホコリ吸い過ぎておかしいのか?』
友『窓が開かないんだよ。』
私『宇宙ステーションだと思って』
友『向こうの方がクリーンじゃないか?』
私『囚人だと思って』
友『むしろもっと清潔なのでは?』
90分後任せると言ったはずの知人が出てきて、思い出の品があるはずだ、アレを捨ててるんじゃないのか、と片付けたゴミ袋をあさり始める。私、軽くキレて知人を退場させる。
私『あれが自分のことですら自責を避けたい心理だね。』
友『断捨離教にでもハマってたら片付けてくれてたんだろうか…』
120分後やっと床が見える。しかしルンバの姿は見えない、この密室のミステリー。私たちはつぶやいた。あいつはきっと山になっちまったんだなあーってね。
岳-みんなの山-よりロープウェーのガイドが昔の仲間が眠る山嶺に毎日唄う、と語る美しいシーン。